今 思うこと

3月11日 午後2時46分。

あの日の、あの時間。
私は、卒業式のため早帰りだった娘を家に残し、1人でスーパーで買い物をしていた。
お惣菜のメンチカツをじーっと見ているときに、いきなり視界がゆさゆさと揺れて、
隣りにいた見知らぬ人と「揺れてる!?」って言い合って、2人で安全そうな場所(寿司コーナー)に移動した。
けれど揺れはいっこうにおさまらず、周りのおばちゃんたちはみんな慌てて店の外に駆け出して行った。
店の陳列棚からは商品がどんどん落ちて、酒瓶などもガッチャンガッチャン落ちて割れて、それを見て「えぇ〜…」と言いながら呆然と立ち尽くしていた。寿司コーナーで。
娘は家でパソコンをしていて、ダイニングテーブルの下に潜ったらしい。
とても落ち着いていた。
ぼうちゃんはまだ学校で、先生たちとみんなで外に避難したらしい。こちらも落ち着いていたとのこと。

私の住んでる地域は震度5強だった。
新潟に住んでいたときに経験した中越地震ですら、私の住んでいたところは震度5弱だったので、今まで体験した中で最大級の地震であった。



あの地震から三週間。


本当に無知で、ニュースなどろくに観ることなく、のほほんと暮らしてきた41年とちょっと。
こんなにこの国のことについて考えさせられたのは初めて。
見たくないものは見ないようにしてずっと生きてきたけれど、今は目をかっと見開いて見ていようと思う。
いろんな人がいろんなことを言っていて
何が本当なのかさっぱりわからなくなるけど、それでも耳は塞がずにいようと思う。

目を見開いて、耳をすませて、足を踏ん張って、しっかりと自分の頭で考えようと思う。



以前「あと3日で地球が滅亡するとしたら何がしたい?」って聞かれたことがある。
私は「家族といっしょに過ごす」と答えた。
他には何も思いつかなかった。
今でも同じ気持ち。
家族といっしょにいられる。それだけでもうじゅうぶんだ。
楽しく笑いあえる時間が与えられているうちは、存分に堪能させてもらう。

私にできることは、悲しいけどそれだけだ。