森絵都「永遠の出口」

永遠の出口

痛かった。
もう読んでるあいだじゅう ずーっと痛くて
はずかしくて 直視できないようなかんじだった。


私と同年代の人はみんなそうなんじゃないかと思う。


時代背景が 作者の少女時代そのままだと思うのだけど
それは まさに私の少女時代そのものでもある。(歳1つ違いなので)


なつかしいキーワードに くらくらきた。


小学校時代・・・サンリオの文具や 匂いつき消しごむ 
        「りぼん」と「なかよし」 お誕生会 
中学時代・・・ツッパリブーム 前髪命 スカート丈や靴下のこと 先輩
高校時代・・・カフェバー コークハイ ウエイトレスのバイト


たのきんトリオのはなしにも笑った。
クラスにはだいたい トシちゃん派とマッチ派がいて
グループに一人は なぜかヨッちゃん派がいて
たまに なぜか新沼謙治のファンとかいて。


コレ ほんとに まったく同じだった。


こーゆう懐かしさは いい。
たとえば しまおまほの「ぼんやり小町」に出ている
中学生時代の日記とか。
思いっきり笑いとばせる恥ずかしさ はいいものだ。


でもこの物語は それだけじゃなくて
この少女時代に 心にうずまく
なんとも暗く 重い いやーな感情。
これは 不思議と 当時は あまりに漠然としていて自覚がないのだけど
今 大人になって振り返ると それがはっきりとした形をもって
見えてきて たまらない気持ちになる。


この本は 閉じこめておいたそんな気持を
パカッとふたを開けて ホレホレと見せられているような
かんじがした。 


なので 読んでるあいだはずーっと
寒気がして 鳥肌がたっていた。 私だけだろうか。