2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

絲山秋子「海の仙人」

途中まで読んでいて なんだかじわじわと哀しさがこみあげてきて いっぱい泣けた。 そして これはものすごくいいかもしれない、と思っていたんだけど。結末を見て なんだかしょんぼりしてしまった。 なんか そんなに哀しさばっかり盛り込まなくてもいいのに。…

小西真奈美「手紙」

全編書き下ろし詩的エッセイ ということで。 廣瀬裕子さんの本のようなかんじ。思いがけず すごくよかった。 すごく素直で やわらかな言葉が 彼女の雰囲気そのままに 出ていて いい意味で ほんとうに 育ちがよいお嬢さんだなあと思った。 そして頭もよく 言…

森絵都「永遠の出口」

痛かった。 もう読んでるあいだじゅう ずーっと痛くて はずかしくて 直視できないようなかんじだった。私と同年代の人はみんなそうなんじゃないかと思う。時代背景が 作者の少女時代そのままだと思うのだけど それは まさに私の少女時代そのものでもある。(…

水木しげる「けんかはよせ 腹がへるぞ 水木しげるの妖怪名言集」

気に入ったことば。 「独学で幼稚園を卒業したのよ」魔女の花子 「それにしても”人生を不幸がる文化”ってのは どういうものですかねぇ?」ねずみ男 「物を盗むときはな おっとりと上品にかまえ 満ち足りた顔つきをするのがこつだぞ」ねずみ男 「純真なバカ者…

江國香織「思いわずらうことなく愉しく生きよ」

DV問題などを扱っているにもかかわらず まったく どんよりとした重苦しい空気を感じない。 むしろ 清々しく感じるほど。 それをつまらなく思う人もいるだろうけど 私はやっぱり 江國ワールドのそんなところが すごくすき。江國さんが描く姉妹の話は面白い。 …

絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」

うーん。 文章のかんじとか すごく好きなんだけど。 内容が。。。どうだろう。 でもいろいろなタイプの話がかける人なんだろうなぁ。 私はクセのある表題作より 素直なかんじの「第七障害」の方がすきだ。この人の作品は 「一緒にいるのはあんまり好きじゃな…