トイレの花子さん

学校から帰ったりんりんが 息をはずませて 話す。
「ママ、あのね! 学校の3階のトイレにね! 『トイレの花子さん』がいるんだって!」

その顔は こわがっているというよりも むしろ わくわくしたような。
目はきらきら 頬は ちょっとゆるんでいる。

「みんながそういってた!教頭先生もいってた!」(←なに吹き込んでんだよ教頭)
 
そういいながらも どこか笑いをおさえきれないような表情。

「あんたさー」
「え?」
「もしかして その花子さんって、この間みた あの花子さんだと思ってる?」
「え?・・・うん!」
「やっぱりね」
「え?ちがうの?」
「ちがうよ。 みんなが言ってるのは 幽霊の話」
「・・・・・え・・!」(凍り付く表情)

学校で みんながトイレの花子さんの幽霊話で盛り上がっているとき
こいつの頭に浮かんでいたのは 
この前の「ガキの使い」のスペシャル(笑ってはいけない高校)に出てた
トイレの花子さん(酔っぱらってトイレで寝てた山田花子)だったのかと思うと
可笑しい。

「あんた あの花子さんに会える、とか思ったん?」
「・・・うん」(落胆の色かくせず)


いろんな意味で フビン。