美人道

夜。風呂あがりに りんりんの髪にドライヤーをかける。
「ちょっとこれやらせて」
と 私のカーラーを髪に巻くりんりん。
超不器用な手つきで めちゃくちゃに巻き
「これで、ドライヤーして」
と言う。 
この状態でドライヤーかけたら 大変なことになるからやめとけ、と言う私。
「ふーん、あっそ。」と すぐカーラーをはずす。
鏡にうつったアバンギャルドな髪型を見て「アハハハ」と笑い
頭を犬のようにブルブルとふる。「あ、もどった。」とニッコリ。

そのあとは 私の顔に塗るゲル状のクリームを 
「これ ぬっていい?」と 顔にぬったくり



「あたし 今日から 美人なオンナになる」


と宣言して
ふたたび 髪にカーラー巻く→はずす→笑う→頭ふる→鏡みてニッコリ
の一連の流れを 延々繰り返し始めたので 私は洗面所から退散した。