読書の夏

時間がゆったり流れる夏休み。
おかげで読書がハイペースで進む。
暑いので保冷剤を巻いた手ぬぐいを首にまきつけながら
むさぼるように読んでいる。
図書館本や 自分の本棚から未読のもの再読のもの かたっぱしから。

そんな中でもとくに面白かったのはこれ。

イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)

イニシエーション・ラブ (ミステリー・リーグ)

なんだこの三流恋愛小説は、と思ったけど
最後の最後でひっくり返される、と話題になっていたので 
期待して一気に読み進めた。
読み終わってしばらく意味がわからず呆然としてしまったが
もう一度読み返して その緻密な構成というかしかけに驚愕&脱帽。
表紙の写真にも深い意味があり その奥深さにうなってしまった。
一見すると 超軽いノリの 頭わるそうな恋愛小説なところがまたかえってよかったりする。
映画の「アフタースクール」とか好きな人は好きじゃないかなぁ。
私はこういうしかけ大好きだ。
これはタロットをモチーフにした作品群のひとつ、ということなので
他の(「リピート」「塔の断章」など)も読んでみようと思う。
同じ作者の

クラリネット症候群 (徳間文庫)

クラリネット症候群 (徳間文庫)

これも読んでみたけど だんぜんイニシエーション・ラブがいいなぁ。
マリオネット症候群はちょっとおもしろかったけど。コントみたいで。
表題作にいたっては 読みにくいことこのうえなくて 途中で本をほうり投げそうになった。


りんりんも学校の宿題で読書感想文を書かなくてはいけないとのことなので

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

これをおすすめ(というか強要)した。
寝る前の数時間であっという間に読み終わってしまったようだ。
本を読んでもめったに泣くことのないりんりんもさすがにこれは泣いたらしい。
(過去に唯一涙したのがサイバラの『毎日かあさん』って言ってた)
今 がんばって感想文を書いているところ。
リビングにこの本が置きっぱなしになっていたので ひさしぶりに手にとってパラパラしてみたら
ほんのちょっとの会話が目にはいってくるだけで 鼻の奥がツーン。
数ページ読み進めたら またしても号泣してしまった。
何回読み返してもここまで泣ける本は そうそうない。

それにつけても「本」という媒体の素晴らしさに しみじみと感じ入る今日この頃だ。
どんなに高価な品物を手にしても ここまで豊かな気持ちにはなれない。
そう考えると 本ってなんて安いんだろうと思う。(だったら新書買えよって話ですが)
昨日図書館でまたいっぱい借りてきたので ここしばらくは安心だ。(読む本がないと死ぬ)
ほくほくしながら本の世界にひたろう。(現実逃避ともゆう)