瀬尾まいこ「図書館の神様」

図書館の神様

面白く 一気に読んだ。
やはりこれも ヘビーなことを ほんわかとゆるいかんじに書かれている。


設定がたまらない。


図書館。
文芸部の顧問。
かっこいい文学少年。


これだけで すんごいそそられる。


二人の文学についての会話が すごく楽しい。
私も 川端康成山本周五郎夏目漱石を 読んでみたくなった。
それで 鼻血が! とか言って笑いたい。


これを読んだとき 私は ものすごく沈んだ気持ちでいた。
自閉症の息子が登園拒否をしはじめて
本人の気持ちを聞きたくとも まともに会話ができないもどかしさがあって。
沈んでいるときは いつもあまり小説とか読まないんだけど
なぜか すごく読みたくなった。


この本の中で ある女生徒が 
自分のおばあちゃんが無理矢理サナトリウムに入れられて
結局 自殺してしまった話をするくだり。


なんだか 心にぐさっときてしまった。
周りの人間がよかれと思って勝手にやることは 結局 本人のためなんかじゃない。
自分のためだ。
当の本人は置いてきぼりだ。


その前に読んだ 五味太郎の本大人問題 (講談社文庫)にも そのようなことが書いてあって
いろいろ しみじみ考えてしまった。 


まあ それはさておき。


主人公が 図書館の本の整理をして 気持ちの整理もついていく過程がよかった。

するべきことがある。それは、私をはやく元気にしてくれる。

とても すきな一文。